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『鳥海山の手長足長』

  むがし、山形が出羽の国の頃、朝廷はみだっちゃ東北どご平定すんなねっつって、坂上田村麻呂っていうお侍を東北さやったんだど。
  んだげんど、賊軍がまだあばっちぇだったがら、田村麻呂は、出羽の国を見渡す鳥海山さ大物忌神どご祭って、世の中の平安を祈願したんだど。
  んでも鳥海山さは、手長足長っていう化物住んでで、日本海通る船どご捕まえだり、ひっくりかえしたりして、あばっちぇだったんだど。
大物忌神は、ごしゃいで真っ赤になったど、ほして、手長足長の住んでだ山の頂上どご日本海さ吹っ飛ばしたごんだど。
  こんどぎに出来だ島が「飛島」だったんだど。
  どーびんと。

 さて、手長足長がどうなったがっていうど、
吹っ飛ばさっちゃ後も飛島さ居で、どぎどぎ暴っちぇだったんだど。
んだげんど、手長足長退治を命令さっちゃ百合若大臣っていうお侍に退治さっちぇしまったんだど。

山形弁訳

『鳥海山の手長足長』
  むがし、山形が出羽の国の頃、朝廷は乱れた東北を平定しなければならないと言って、坂上田村麻呂っていうお侍を東北に遣わしたんだと。
  それでも、賊軍がまだ暴れていたから、田村麻呂は、出羽の国を見渡す鳥海山に大物忌神を祭って、世の中の平安を祈願したんだと。
  でも鳥海山には、手長足長っていう化物が住んでいて、日本海を通る船を捕まえたり、ひっくり返したりして暴れてたんだと。
  大物忌神は、怒って真っ赤になったんだと、
そして、手長足長の住んでいる山の頂上を日本海に吹っ飛ばしたんだと。
  この時にできた島が「飛島」だったんだと。
  どーびんと。

さて、手長足長がどうなったのかというと、
吹き飛ばされた後も飛島に居て、ときどき暴れていたんだと。けれども、手長足長の退治を命令された百合若大臣というお侍に退治されてしまったんだと。





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