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『お月様とお日様と雷様』

 むがあし、むがあし、
 お月様とお天道様と雷様と三人で、旅さ出たんだど。
ほうして、ある宿屋さ泊まったんだそうだ。
 次の朝、雷様が目覚ましたら、空に雲が出ったたんだっけど。
 雷様は女中よばって、聞いだっけど。
「なんだが雨降るみでだげど、お月様どお天道様は、何してござんなんべなぁ」
 女中はびっくりして、
「あの、お月様は今朝まだまだ暗いうぢに、宿をたってござったぜっし」
「お天道様は、夜明けど共に出がげなさったぜっし」
って言ったけど。
「お二人とも早いもんだなぁ、月日の経つのは早い、って昔がらいうもんだげど本当だなぁ」
って感心していだっけど。
ほうして、女中は雷様さ聞いだど。
「雷様雷様、雷様は何時にお立ちになんなやっし、もう夕方になんなだげど」
って言ったら、
「俺らぁ、夕立ちだぁ」
って言ったど。
 おもしぇごど語るもんだなぁ。
 とーびんと。

山形弁訳

『お月様とお日様と雷様』
むかしむかし、
  お月様とお天道様と雷様と三人で旅に出たんだと。
そして、ある宿屋に泊まったそうな。
  次の朝、雷様が目覚ましたら、空に雲が出ていたんだと。
雷様は女中を呼んで、聞いたんだと。
「なんだか雨が降るみたいだけど、お月様とお天道様は、どうしてらっしゃるんだろうなぁ」
  女中はびっくりして、
「あの、お月様は今朝まだまだ暗いうちに、宿をたっていかれましたよ」
「お天道様は、夜明けと共にでかけなさいました」
って言ったんだと。
「お二人とも早いもんだなぁ、月日の経つのは早い、って昔からいうものだけど本当だなぁ」
って感心していたっけど。
そして、女中は雷様に聞いたんだと。
「雷様雷様、雷様はいつお立ちになられるんですか、もう夕方になるんですけど」
って言ったら、
「俺は、夕立ちだぁ」
って言ったんだと。
面白いこと言うもんだなぁ。
とーびんと。





○山形弁(置賜方言)の昔話

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